─原著─
重症心身障害児・者へのコロナウイルス感染症2019(COVID-19)ワクチン接種 -抗体価の推移と副反応の検討-
郡司 優希1, 3), 藤田 之彦1), 三ツ橋 拓実1), 久保 達也1), 西村 淳1), 道廣 成実1), 椎原 弘章4), 関根 裕子2), 渡邉 美佐子2), 田中 由香里3), 森岡 一朗3)
1)あしかがの森足利病院小児科 2)同 看護部 3)日本大学医学部小児科学系小児科学分野 4)東京都立東部療育医療センター
重症心身障害児・者(重症児・者)は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)ワクチンの接種が推奨される対象である.COVID-19 ワクチン接種後の抗SARS-CoV-2 抗体価は,医療従事者などで測定され,3 回目のワクチン接種は抗体価を増加させ,長期に維持すると報告されているが,重症児・者におけるCOVID-19 ワクチン接種後の抗体価推移を調べた報告は少ない.本研究では,当院入所重症児・者142 人におけるCOVID-19 ワクチン接種後のSARSCoV-2 抗スパイクIgG 抗体価の推移と副反応を検討した.結果,2 回目ワクチン接種2 か月後の抗体価は幾何平均± 標準偏差= 2.863±3,219 AU/mL で,3 回目接種2 か月後は22,623±17,301 AU/mL であり,2 回目接種2 か月後と比較すると約8 倍上昇し,有意に高値だった(p<0.05).ワクチンによる抗体産生能は健常者の報告と相違なかった.副反応は1 回目と比較して2 回目の方が多く認めた(7.7%/ 37.3%).発熱(37.0°C 以上)や局所反応以外の副反応はほとんど認めなかった.今回,重症児・者における3 回目のCOVID-19 ワクチン接種は2 回目接種以上に抗体価を著増させ,ワクチンによる抗体産生能は健常者と同様であることがわかった.今後,3 回目接種後の抗体価持続期間と感染防御としての免疫効果,感染防御能を検証する必要がある.
| Key words | 重症心身障害児,新型コロナウイルス感染症,抗体価,ワクチン,副反応 |
|---|---|
| 連絡先 | 藤田之彦 あしかがの森足利病院小児科 〒326-0011 足利市大沼田町615 |
| 受付日 | 2023年5月26日 |
| 受理日 | 2023年8月26日 |
小児感染免疫 35 (4):343─350,2023
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