─症例報告─
急速に進行する頭痛を主訴に来院したB群髄膜炎菌による髄膜炎の13歳女子例
半田 貴之1), 羽賀 洋一1), 西原 友紀1), 髙橋 浩之1), 髙月 晋一1)
1)東邦大学医療センター大森病院小児科
新型コロナウイルスの流行以降,国内で報告数が減少していた侵襲性髄膜炎菌感染症の一例を経験し,文献的考察を加え報告する.症例は生来健康な13歳女子で,来院2日前から咽頭痛,悪寒,発熱を認め,受診12時間前から頭痛と頻回の嘔吐が出現した.初診時に髄膜刺激症状を認め,髄液所見から細菌性髄膜炎と診断した.髄液培養で髄膜炎菌が検出され,侵襲性髄膜炎菌感染症と診断した.血清型は,ラテックス凝集法でY/W-135群,PCR法でB群と同定された.本症例の感染経路は特定できなかった.入院後,アンピシリンとセフトリアキソンの投与を開始し,治療3日後に解熱した.14日間抗菌薬を投与し,後遺症なく退院した.国内における侵襲性髄膜炎菌感染症の報告数は2020年に大きく減少したが,2023年から再び増加傾向にある.報告数が減少した背景には,新型コロナウイルス流行に伴う感染対策への意識の変化が考えられ,再増加には海外からの訪日客増加の関与が考えられる.今後,海外渡航者の増加に伴い侵襲性髄膜炎菌感染症の再拡大が懸念され,対策として血清群Bを含むワクチンの認可と普及が必要と思われる.
| Key words | 髄膜炎菌,侵襲性髄膜炎菌感染症,ワクチン,血清群B,海外渡航 |
|---|---|
| 連絡先 | 羽賀洋一 〒143-8541 東京都大田区大森西6-11-1 東邦大学医療センター大森病院小児科 |
| 受付日 | 2025年7月15日 |
| 受理日 | 2026年3月12日 |
小児感染免疫 38 (2):157─163,2026
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