─症例報告─
複数の耐性遺伝子を有する莢膜型23Aのペニシリン耐性肺炎球菌による髄膜炎の一例
平嶋 秀伍1), 小松 洋介1), 清水 博之2), 小笹 浩二1), 咲間 裕之1), 菊池 信行1)
1)横浜労災病院小児科 2)藤沢市民病院臨床検査科
ワクチン非含有型(non-vaccine type:NVT)の莢膜型23Aの肺炎球菌による細菌性髄膜炎の3歳女児例を経験した.発熱と頭痛を主訴に受診し,髄膜刺激徴候を認め,速やかに抗菌薬投与を開始した.後日,血液と髄液からStreptococcus pneumoniaeが検出された.薬剤感受性試験結果で感性と報告を受けたセフォタキシムとメロペネムでは改善を認めず,バンコマイシンを併用した後に改善を示した.β-ラクタム系薬の耐性に関わるペニシリン結合タンパクの遺伝子解析では,3種のPBP遺伝子に変異を有する penicillin-resistant Streptococcus pneumoniae [genotype(g)PRSP]と判定された.肺炎球菌結合型ワクチンの導入によって,肺炎球菌性髄膜炎は減少したが,近年再び NVT肺炎球菌による髄膜炎は増加している.また,NVTの肺炎球菌の中にgPRSP が出現しつつあり,薬剤感受性試験結果と遺伝子学的薬剤耐性に乖離を認める株が存在することから,髄膜炎治療時の抗菌薬選択には慎重な判断が求められると結論された.
| Key words | 肺炎球菌性髄膜炎,ワクチン非含有血清型,肺炎球菌結合型ワクチン,ペニシリン耐性肺炎球菌,薬剤感受性試験 |
|---|---|
| 連絡先 | 小笹浩二 〒222-0036 横浜市港北区小机町3211 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院小児科 |
| 受付日 | 2025年10月18日 |
| 受理日 | 2026年3月8日 |
小児感染免疫 38 (2):151─156,2026
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