機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第38巻第2号目次 > 抄録

─原著─

重症心身障がい児(者)の呼吸器感染症における多項目PCR検査を用いた原因微生物検索

森 春輝1), 原木 悠1), 山本 翔大1), 草野 泰造1), 星野 直1)

1)千葉県こども病院感染症科


重症心身障がい児(者)は多因子性の呼吸障害を有し,呼吸器感染症が主要な死亡原因である.同患者群における微生物感染の実態とFilmArrayⓇ呼吸器パネル2.1(以下,FA)の臨床的有用性を後方視的に検討した.2021年6月〜2024年3月に千葉県こども病院へ緊急入院し,気管切開施行済かつ大島分類1〜4に該当して呼吸器感染症と診断された95例(43人)を対象とした.FA陽性は34人(35.8%)で,最多検出病原体はRhino/Enterovirusであり既報と一致したが,SARS-CoV-2およびRespiratory syncytial virusはそれぞれ2人(2%),1人(1%)と少数であった.FA陽性・陰性群間で抗菌薬使用や入院期間に統計学的有意差は認められなかった.一方,FA陽性かつ気管内吸引物培養で有意菌を認めなかった症例では,FA陽性かつ気管内吸引物培養で有意菌を認めた症例に比べ抗菌薬投与期間が有意に短縮していた.FA結果と気管内吸引物培養結果を併用することで抗菌薬使用の最適化に資する可能性がある.

Key words 重症心身障がい児(者),呼吸器感染症,多項目PCR検査
連絡先 森春輝 〒266-0007 千葉市緑区辺田町579-1 千葉県こども病院感染症科
受付日 2025年7月15日
受理日 2026年3月12日

小児感染免疫 38 (2):123─130,2026

PAGE TOP