─症例報告─
先天性サイトメガロウイルス感染による網脈絡膜欠損を認めた22q11.2重複症候群の1例
川上 千晧1), 岡橋 彩1), 佐藤 優希1), 呉 英俊1), 今泉 隆行v不破 一将1), 土方 みどり1), 長野 伸彦1), 森岡 一朗1)
1)日本大学医学部小児科学系小児科学分野
先天性サイトメガロウイルス感染症(congenital cytomegalovirus infection:cCMVi)はTORCH症候群のなかでも最も頻度が高く,妊婦がサイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)に初感染もしくは既感染者の再活性化で経胎盤的に胎児に移行し,母子感染が生じる.感染児は出生時の症状の有無で治療適応を決定する.先天性難聴や中枢神経障害などの症状を認める症候性cCMViは20〜30%,無症候性cCMViは70〜80%である1).症候性cCMVi児では10〜30%に眼合併症を伴う2〜7).眼合併症は網脈絡膜炎,網膜出血,網脈絡膜瘢痕,角膜混濁,白内障,網膜血管閉塞および動静脈吻合,前眼部病変,視神経萎縮,視神経低形成・無形成,コロボーマ,小眼球症,無眼球症,不完全単眼症,斜視,乱視弱視,眼振,皮質性視覚障害など多彩であり2〜12),疾患特異的ではないため鑑別を要することがある.
今回,症候性cCMViの精密検査において眼球後部の石灰化および黄斑部網脈絡膜欠損(網脈絡膜コロボーマ)を呈した新生児を経験した.cCMViの眼合併症としては稀であるため,鑑別を行い,22q11.2重複症候群であることが判明した.cCMViと22q11.2重複症候群が合併した報告はなく,この眼合併症の治療適応の判断について文献的考察を加えて報告する.
| Key words | 先天性サイトメガロウイルス感染症,網膜欠損,脈絡膜欠損,眼内石灰化,22q11.2重複症候群 |
|---|---|
| 連絡先 | 岡橋 彩 〒173-8610 東京都板橋区大谷口上町30-1 日本大学医学部小児科学系小児科学分野 |
| 受付日 | 2025年10月18日 |
| 受理日 | 2026年2月11日 |
小児感染免疫 38 (1):33─39,2026
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