機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─症例報告─

溶連菌感染後急性糸球体腎炎に伴う低補体血症の関与が疑われた肺炎球菌菌血症の1幼児例

松村 健大郎1), 山内 壮作1), 大町 太一1), 加藤 正吾1), 辻 章志1), 金子 一成1)

1)関西医科大学小児科学講座


補体欠損症,特にC3欠損における侵襲性細菌感染は,肺炎球菌などの莢膜を有する細菌が起因菌となる.これは肺炎球菌に対する感染防御機構として,C3を起点とする補体活性化第二経路によるオプソニン化と溶菌反応が重要なためである.
溶連菌感染後急性糸球体腎炎(post-streptococcal acute glomerulonephritis:PSAGN)は,急性発症の血尿,タンパク尿,乏尿,浮腫とともに一過性に低C3血症をはじめとする低補体血症を呈する.今回,PSAGNの経過中に肺炎球菌菌血症を合併した5歳男児例を経験した.本症例ではPSAGNによる一過性の低C3血症のためオプソニン化と溶菌反応が不十分で,肺炎球菌菌血症を合併したものと推測した.なお,沈降13価肺炎球菌結合型ワクチンを接種済みであったが,血液培養で検出された肺炎球菌は非ワクチン血清型であった.
以上,PSAGNによる低補体血症が認められる時期に発熱を認めた場合,肺炎球菌などの侵襲性細菌感染症の合併を考慮すべきであると思われた.

Key words 溶連菌感染後急性糸球体腎炎,低補体血症,肺炎球菌結合型ワクチン,侵襲性肺炎球菌感染症,肺炎球菌菌血症
連絡先 金子 一成 〒573-1010 枚方市新町2-5-1 関西医科大学小児科学講座
受付日 2025年10月30日
受理日 2026年2月7日

小児感染免疫 38 (1):27─32,2026

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