機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

小児期肺炎球菌菌血症と熱性けいれんの関連:地域中核施設における後方視的観察研究2014〜2024

中田 圭一1), 松原 康策1), 久保 萌加1), 金 伽耶1), 内藤 昭嘉1), 川﨑 悠1), 青田 千恵1), 磯目 賢一1), 堀 雅之1), 岩田 あや1), 山口 善道1), 平海 良美1)

1)神戸市立西神戸医療センター小児科


本研究では2014〜2024年(肺炎球菌結合型ワクチン[PCV]13期)に受診した6〜36か月児を対象に,肺炎球菌菌血症(pneumococcal bacteremia:PB)と熱性けいれん(febrile seizure:FS)の関連を地域中核病院で検討した.PBは21例同定され,うち6例(29%)にFSを合併し,3例は複雑型FSであった.分離株の血清型はすべてPCV13非含有型で52%(11/21株)はPCV20含有型であった.一方,期間中に血液培養を実施したFSの627例を母数にすると,FS合併PB 6例の診断率は1.0%(6/627)であった.単純型(0.9% [3/321例])と複雑型(1.0% [3/298例])FSで診断率に差はなかった.血液培養実施FS 627例において,白血球増多がPB群は非PB群に比べて有意に高率だったが,PBの予測因子としての有用性は乏しかった.本研究はPBとFSの関連を双方向の視点で検討した初めての研究である.本研究によって,PCV13期においては,PBにおけるFS合併率が比較的高い一方で,FS症例におけるPBの診断率は低いことが示された.また,PCV20の普及に伴い,FS症例におけるPBの診断率はさらに低下することが示唆された.

Key words 肺炎球菌菌血症,熱性けいれん,複雑型熱性けいれん,肺炎球菌結合型ワクチン,侵襲性肺炎球菌感染症
連絡先 松原 康策 〒651-2273 神戸市西区糀台5-7-1 神戸市立西神戸医療センター小児科
受付日 2025年9月29日
受理日 2025年11月28日

小児感染免疫 37 (4):299─309,2025

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