─症例報告─
腸管出血性大腸菌O157を長期保菌しアジスロマイシンで除菌した小児の2症例
石川 秀太1), 佐藤 寿生1), 角掛 和音1)
1)岩手県立二戸病院小児科
腸管出血性大腸菌O157罹患後に腸重積症を合併し,退院後に保菌者となった小児2例の治療経過を報告する.症例1は3歳の女児で発熱と腹痛,粘血便のため入院し,注腸造影で腸重積症と診断し高圧浣腸で整復した.入院時の便培養から腸管出血性大腸菌O157が検出された.退院後は陰性が確認できるまで登園を禁止したが,発症から約1か月O157が陰性化しなかったため除菌を行う方針とした.アジスロマイシン経口投与を行い,合併症なく速やかに除菌ができた.症例2は8歳の女児で症例1と同様の症候と経過であり入院時に注腸造影で腸重積症と診断し高圧浣腸で整復した.入院時の便培養からO157が検出された.学校および保護者と協議し,陰性化まで出席停止とする方針としたが約3週間陰性化しなかったため,アジスロマイシン投与を行い除菌した.腸管出血性大腸菌感染症に対する抗菌薬投与は溶血性尿毒症症候群を惹起する危険性があり,さまざまな見解がある.一方,無症候性の長期保菌例では出席停止期間が長引く場合があり患児と家族の社会的負担が大きい.腸管出血性大腸菌長期保菌者に対するアジスロマイシンによる除菌法は有効かつ安全である可能性がある.
| Key words | 腸管出血性大腸菌,O157,長期保菌,出席停止,アジスロマイシン |
|---|---|
| 連絡先 | 石川 秀太 〒028-6193 二戸市堀野字大川原毛38-2 岩手県立二戸病院小児科 |
| 受付日 | 2025年2月5日 |
| 受理日 | 2025年7月29日 |
小児感染免疫 37 (3):259─265,2025
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