─症例報告─
リツキシマブによる重度低IgG血症を背景とした眼窩周囲蜂窩織炎
小野 沙也佳1), 中谷 諒1), 藤井 隆大1), 加藤 彩1), 白井 陽子1), 石塚 喜世伸1), 三浦 健一郎1)
1)東京女子医科大学腎臓小児科
リツキシマブ(RTX)は副作用として遅発性に低IgG血症を発症することが知られている.今回,複数回のRTX投与後に重度低IgG血症を呈し,眼窩周囲蜂窩織炎を発症した学童の1例を経験したため報告する.症例は11歳女児で,頻回再発型ネフローゼ症候群に対して11回のRTX投与歴があり,本入院以前には易感染性を示唆するエピソードは認めなかったが,およそ2年前から血清IgGは200mg/dL未満で推移していた.RTXの最終投与は入院20日前であった.入院前日から左上眼瞼の腫脹および疼痛を認め,造影CTで左眼窩周囲蜂窩織炎の診断となり入院した.入院時の血清IgGは77mg/dLであり,抗菌薬に加えて免疫グロブリン静注 (IVIG)を行い,速やかに局所所見は改善した.本症例はRTXによる遷延性の重度低IgG血症を呈していたために非典型的な年齢での眼窩周囲蜂窩織炎を発症したと考えられ,重度低IgG血症に対してIVIGを施行した.RTX投与歴があり遷延する重度低IgG血症を認める患者では,非典型的な感染症の発症に留意し,発熱時には速やかな受診を指示するとともに,必要に応じてIVIGも考慮される.
| Key words | 眼窩周囲蜂窩織炎,リツキシマブ,低IgG血症 |
|---|---|
| 連絡先 | 中谷 諒 〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1 東京女子医科大学腎臓小児科 |
| 受付日 | 2025年3月23日 |
| 受理日 | 2025年5月20日 |
小児感染免疫 37 (3):252─258,2025
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