機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─症例報告─

Salmonella Oranienburgによる菌血症と出血性膀胱炎を発症した爬虫類飼育歴のある8歳男児例

森内 巧1), 大城 允人1), 村山 和世1), 宮城 俊雅1), 比嘉 利恵子1), 砂川 信1)

1)社会医療法人敬愛会中頭病院小児科


爬虫類飼育歴のある基礎疾患がない8歳男児の非チフス性サルモネラ属菌(non-typhoidal Salmonella:NTS)による菌血症・出血性膀胱炎症例を経験した.発熱・肉眼的血尿・排尿時痛のため受診し入院,尿路感染症として抗菌薬治療を開始とした.入院翌日に血液培養からSalmonella enterica subsp. enterica serovar Oranienburg が分離され,後日尿培養からも同血清型のサルモネラ属菌が検出された.画像検査上膀胱壁肥厚所見があったが他の所見は認めなかった.血液培養陰性化から2週間の抗菌薬加療を行い軽快退院となった.NTS尿路感染症は稀であり菌血症も併発した詳細な小児の報告はほとんどない.飼育爬虫類の便検体からもNTSが検出され,血清型解析を行ったが一致しなかった.本児がほかにNTS感染症になる生活歴がないことや,ペットの爬虫類がNTSを複数株保菌している可能性から,飼育爬虫類からの動物由来感染症と推定した.日本のNTS感染症数は食中毒発生事例の報告では減少傾向であるが,近年欧米やオーストラリアでは爬虫類関連NTS感染症が小児を中心に増加傾向であることが警告されている.今後,医療従事者からも動物由来感染症への注意喚起や啓発活動をこれまで以上に行っていく必要がある.

Key words サルモネラ菌,出血性膀胱炎,菌血症,動物由来感染症
連絡先 森内 巧  〒194-0045 東京都町田市南成瀬5-33-1 南成瀬メディカルヴィレッジ西棟2階 もりうち小児科
受付日 2025年3月8日
受理日 2025年5月12日

小児感染免疫 37 (3):238─245,2025

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