機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─症例報告─

多囊胞性脳軟化をきたした遅発型B群レンサ球菌髄膜炎の一例

外山 久実佳1), 丸山 朋子1), 小川 加奈1), 桂木 慎一1), 里村 宜紀1), 根来 彩子1), 西浦 博史1), 小垣 滋豊1)

1)大阪急性期・総合医療センター小児科・新生児科


B群レンサ球菌(Group B Streptococcus:GBS)髄膜炎は,治療介入の遅れが生命予後や後遺症に関わる侵襲性感染症である.今回,発症早期から抗菌薬投与を開始したが重篤な多囊胞性脳軟化をきたした遅発型GBS髄膜炎症例を経験した.症例は日齢25の女児.来院5時間前から顔色不良,来院2時間前から発熱・哺乳不良のため近医を受診し,当院へ救急搬送された.発熱,頻脈,末梢循環不全,意識障害を認めたため,敗血症スクリーニングとして血液・尿・髄液検査を実施し,速やかに抗菌薬を投与した.髄液糖低下,髄液培養からGBSが分離されGBS髄膜炎と診断し,呼吸・循環管理を行い抗菌薬を継続した.第17病日の頭部造影MRIで多囊胞性脳軟化と硬膜下膿瘍を認め,抗菌薬(アンピシリン)は計8週間投与した.新生児の発熱や哺乳不良では髄膜炎などの重症感染症を念頭におき,速やかな診断・抗菌薬治療が求められる.本症例では,発症後早期に適切な抗菌薬投与を開始し集中治療を行うも重度後遺症を生じており,今後はワクチンなどの予防法の確立が望まれる.

Key words 侵襲性GBS感染症,GBS髄膜炎,遅発型,新生児,囊胞性脳軟化
連絡先 丸山朋子 〒558-8558大阪市住吉区万代東3-1-56 大阪急性期・総合医療センター小児科・新生児科
受付日 2024年11月23日
受理日 2025年2月20日

小児感染免疫 37 (2):191─197,2025

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