機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─症例報告─

家族内感染が疑われた非チフス性サルモネラ感染症の2事例

山田 カナン1), 志村 紀彰2), 清水 博之3)

1)藤沢市民病院小児科 2)同 小児救急科 3)同 臨床検査科


非チフス性サルモネラ属菌(non-typhoidal Salmonella:NTS)は胃腸炎や菌血症などを起こしうるグラム陰性桿菌である.感染経路は食品媒介や動物接触が一般的であり,ヒト-ヒト感染の症例報告は少ない.同一家族内で複数の患者がNTS感染症を発症し,ヒト-ヒト感染が疑われた症例を2事例経験した.症例1(3歳女児)がNTS胃腸炎を発症した6日後に,同胞の1歳男児がNTS胃腸炎を発症した.症例2(1か月男児)がNTS菌血症を発症した14日前に,同胞の1歳女児がNTS胃腸炎を発症していた.3歳女児は食品媒介を疑う病歴があったが,他の患児は食品媒介や動物接触を疑う病歴はなく,ヒト-ヒト感染ないしは汚染された環境からの二次感染が考えられた.特にケア度の高い乳幼児が自宅にいる家庭では,食品管理や動物接触の対策に加えて,手指衛生などの指導もNTS感染症の感染管理においては重要であると考えられた.

Key words 非チフス性サルモネラ感染症,家族内感染,ヒト-ヒト感染
連絡先 山田カナン 〒251-8550 藤沢市藤沢2-6-1 藤沢市民病院小児科
受付日 2024年10月10日
受理日 2025年3月2日

小児感染免疫 37 (2):184─190,2025

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