─原著─
海外渡航歴のある小児の薬剤耐性菌スクリーニングの検討
蟹江 信宏1), 舟越 葉那子1), 芝田 明和1), 為 智之2), 木下 和枝3), 堀越 裕歩1)
1)東京都立小児総合医療センター感染症科 2)同 検査室 3)同 分子生物研究室
<背景>Carbapenemase-Producing Enterobacterales(CPE)やVancomycin Resistant Enterococci(VRE)は院内伝播が問題となる.海外渡航歴のある小児への耐性菌スクリーニング検査を検討した.
<方法>2019年1月から2023年4月までに入院した18歳以下を対象とした.海外入院歴・海外渡航歴のある者に対して便培養を実施し,薬剤耐性菌株の耐性遺伝子型を同定した.対象期間にスクリーニング以外で検出されたCPE例について電子診療録から情報を抽出した.また,本スクリーニングにおける費用対効果を算出した.
<結果>計148検体の便培養が行われ,CPEが3検体(2.0%)検出された.検出されたCPEはそれぞれVIM型,OXA-48型,NDM型で,このうち1例で海外入院歴があった.スクリーニング以外で検出されたCPE例はいずれもIMP型で海外入院歴・渡航歴はなかった.対象期間内中のスクリーニングに要した費用は約180万円,1件の大規模アウトブレイクによる損失は1億7,294万円と試算された.
<結論>海外渡航歴のある小児の薬剤耐性菌スクリーニングは,感染対策で有用と考えられる.
| Key words | CPE,海外渡航,院内感染,薬剤耐性菌,スクリーニング |
|---|---|
| 連絡先 | 蟹江信宏 〒183-0042 東京都府中市武蔵台2-8-29 東京都立小児総合医療センター感染症科 |
| 受付日 | 2024年4月21日 |
| 受理日 | 2025年3月22日 |
小児感染免疫 37 (2):147─154,2025
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