機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

A群溶血性レンサ球菌検出用核酸キットの臨床性能評価と分離菌株の分子疫学的特徴

岩田 敏1), 2), 生方 公子1), 3), 諸角 美由紀1), 山崎 雅彦4), 安倍 隆5), 柴田 徹6), 米沢 龍太7), 中村 茂樹1), 三田村 敬子8)

1)東京医科大学微生物学分野 2)熊本大学大学院生命科学研究部附属ワクチン開発センター 3)慶應義塾大学医学部総合診療教育センター 4)座間小児科 5)あべこどもクリニック 6)ふたばこどもクリニック 7)まつば小児科 8)公益財団法人ライフ・エクステンション研究所付属永寿総合病院


小児の咽頭・扁桃炎例においてGroup A Streptococcus(GAS)感染が疑われる場合には,抗菌薬治療の適否を判断するために菌の検索は重要となる.本研究では,近年承認され使用が開始された迅速核酸検出法の「ID NOWTM ストレップA2(ID NOW)」の培養に対する感度,特異度,一致率を,抗原検査およびreal-time PCR法のそれと比較した.また,それらの結果とMcIsaacスコアとの関係も明らかにした.培養と比較したID NOWの感度は98.9%,特異度は88.9%と極めて優れていた.それに対し,抗原検査の感度と特異度は 78.5%と90.0%,PCR法のそれは100%と95.0%であった.特に,ID NOWはMcIsaacスコアの1〜3のGAS疑い例での感度が優れていた.副次的に解析した分離株に対するemm型の解析では短期間に流行型が変化,補体性溶菌インヒビターのSICタンパクを特異的に産生し,病原性の高いemm1型が激増していたことを明らかにした.GASの伝播予防と抗菌薬の適正使用には感度の高い迅速核酸検査の使用が適していると結論される.

Key words A群溶血性レンサ球菌,核酸増幅法,ID NOWTM ストレップA2,感度・特異度,emm型別
連絡先 岩田 敏 〒160-8402 東京都新宿区新宿6-1-1 東京医科大学微生物学分野
受付日 2024年10月13日
受理日 2024年12月8日

小児感染免疫 37 (1):3─14,2025

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