─症例報告─
精巣上体炎を合併したIgA血管炎の一例
板野 雅史1), 守時 良演2), 中井 英剛1)
1)豊川市民病院小児科 2)同 泌尿器科
IgA血管炎は紫斑,関節痛,腹痛など,さまざまな症状を呈するが,まれに陰囊症状を合併する.本症に伴う陰囊症状ではクインケ浮腫がよく知られるが,急性陰囊症としての対応が必要となる場合がある.今回われわれは,IgA血管炎に精巣上体炎を合併した症例を経験したため報告する.症例は2歳男児.入院当日から紫斑と下肢痛がありIgA血管炎の診断で入院したが,入院4日目から陰囊の腫脹,発赤,疼痛を認めた.超音波検査で精巣捻転は否定的であったが,精巣上体の腫脹や血流亢進を認め,病歴と併せIgA血管炎に伴う精巣上体炎と診断した.その後は原疾患の病勢改善に伴い陰囊症状も軽快した.IgA血管炎に伴う急性陰囊症では基本的に治療は不要とされる.精巣捻転の否定のため試験的切開に至る症例もあるが,実際,捻転の可能性は極めて低い.また,陰囊症状が紫斑などに先行する例もあるため,急性陰囊症の鑑別疾患としてIgA血管炎を考慮する必要がある.
| Key words | IgA血管炎,精巣上体炎,急性陰囊症,精巣捻転,小児 |
|---|---|
| 連絡先 | 板野雅史 〒442-8561豊川市八幡町野路23番地 豊川市民病院小児科 |
| 受付日 | 2024年4月6日 |
| 受理日 | 2024年10月13日 |
小児感染免疫 36 (4):359─365,2024
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