─症例報告─
生来健康な9歳男児に発症し終末回腸炎・菌血症を呈したリステリア症
臼井 新治1), 山岸 篤至1), 長柄 俊佑1), 反中 絵美1), 川尻 美和1)
1)高山赤十字病院小児科
リステリア症はListeria monocytogenesによる感染症であり,新生児,妊婦,高齢者,細胞性免疫の低下した患者に,敗血症,髄膜炎などの侵襲性感染症を引き起こす.一方で,健常小児での感染はまれである.われわれは,生来健康な9歳男児に発症した侵襲性リステリア症の1例を経験した.患者は加工肉摂取後に5日間続く発熱と腹痛・下痢症状のため受診した.腹部超音波検査で回盲部リンパ節炎を伴う終末回腸炎を認めたためエルシニア属菌感染症も念頭にceftriaxoneを投与し状態は改善した.便培養はStaphylococcus aureusのみの検出であったが,後に判明した血液培養結果からL. monocytogenesを検出し侵襲性リステリア症と診断した.加工肉などの摂取歴のある感染性胃腸炎で回盲部リンパ節炎を伴う終末回腸炎を認めた場合にはリステリアによる胃腸炎をエルシニア属菌感染症との鑑別のひとつにあげる必要があると考えた.
| Key words | リステリア症,終末回腸炎,菌血症,回盲部リンパ節炎 |
|---|---|
| 連絡先 | 臼井新治 〒506-8550高山市天満町3丁目11 高山赤十字病院小児科 |
| 受付日 | 2024年5月7日 |
| 受理日 | 2024年9月7日 |
小児感染免疫 36 (4):353─358,2024
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