機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第36巻第4号目次 > 抄録

─症例報告─

新型コロナウイルス感染症を契機にIgA血管炎を発症した2例

百瀬 笙子1), 久保 裕1), 瀧上 絵里香1), 齋藤 多恵子1), 福原 正太1), 東道 公人1), 森岡 茂己1), 小林 奈歩1), 藤井 法子1), 加納 原1)

1)京都第二赤十字病院小児科


IgA血管炎は全身性の小型血管炎であり,発症の1~2週間前に上気道炎が先行する例が多い.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機に発症するIgA血管炎も報告されているが,発症機序,臨床的特徴や予後は不明な点が多い.さらに,COVID-19罹患1週間以内の早期に発症する例も報告されている.今回,COVID-19を契機に発症したIgA血管炎2例を経験したので報告する.症例1は4歳,男児.初発症状は発熱,腹痛で,5日後に下腿に紫斑を認めIgA血管炎と診断した.PCR検査結果からCOVID-19を契機にIgA血管炎を発症したと判断した.プレドニゾロン(prednisolone;PSL)静注で軽快した.症例2は6歳,男児.初発症状は紫斑で,2日後に腹痛,関節痛が出現し,IgA血管炎と診断した.経過,PCR検査結果から発症2週間前のCOVID-19が先行感染症であったと判断した.腹痛は遷延したが,PSL導入後徐々に改善した.両例とも発症6か月時点で腎炎もなく,無治療寛解を維持している.COVID-19に続発するIgA血管炎は,罹患早期に発症する例があることを考慮して診療にあたる必要がある.

Key words IgA血管炎,新型コロナウイルス感染症,COVID-19
連絡先 久保 裕 〒602-8026京都市上京区釜座通丸太町上ル春帯町355-5 京都第二赤十字病院小児科
受付日 2024年4月21日
受理日 2024年9月7日

小児感染免疫 36 (4):345─351,2024

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