機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─症例報告─

小児科病棟で1か月半の間に発生したGordonia属菌菌血症2症例の検討

山口 璃紗1), 三宅 淳1, 2), 田代 尚崇3), 屋宮 清仁1), 後藤 憲志1, 2), 大園 秀一1), 山下 裕史朗1)

1)久留米大学医学部小児科学講座 2)同 医学部感染制御学講座 3)同 病院臨床検査部


小児におけるGordonia属菌菌血症は報告が少なく,定まった治療法や治療期間はない.今回,われわれは同時期に小児科病棟に入院している患者において短期間に連続発生したGordonia属菌菌血症を2症例経験した.2症例はともに血液腫瘍疾患を基礎疾患に持ち、長期間留置中の中心静脈カテーテルを有していた.同一菌によるアウトブレイクを疑い,検出菌株の16SrRNA解析を行った.その結果,1例目はG. sputi,2例目はG. polyisoprenivoransであり,アウトブレイクは否定的であった.希少菌による侵襲性感染症の発生時には分子生物学的検証が重要である.

Key words 16SrRNA解析,日和見感染症,放線菌,ゴルドニア,菌血症
連絡先 三宅 淳 〒830-0011 久留米市旭町67 久留米大学小児科
受付日 2024年4月6日
受理日 2024年8月9日

小児感染免疫 36 (3):271─277,2024

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