─症例報告─
敗血症性ショックとなったPanton-Valentine leukocidin 陽性市中感染型MRSA による壊死性肺炎の一例
大島 菜那子1), 島 さほ1), 三宅 淳1), 田中 悠平1), 後藤 憲志1)
1)久留米大学小児科学講座
市中感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(community-acquired methicillin-resistant Staphylococcus aureus;CA-MRSA)は主に健常小児や若年者に皮膚・軟部組織感染症を起こすが,まれに致死的な壊死性肺炎を起こすことがあり,その重症化にPanton-Valentine leucocidin(PVL)が関連しているとされる.今回,基礎疾患のない児でCA-MRSAによる壊死性肺炎の症例を経験したので報告する.症例は2歳8か月女児.発熱,咳嗽,意識障害出現後の約24時間後にショックバイタルとなり当院へ搬送された.胸部エコーで右胸水貯留,胸部CTで右肺野に壊死性肺炎の所見を認め,TAZ/PIPCとTEICで加療開始した.胸水からMRSAが検出され,治療途中TEICの血中濃度調整が困難であったためVCMに変更し計4週間静注治療後,ST合剤内服を2週間行い治療終了とした.菌株解析ではSCCmec Ⅳa型,ST8,PVL陽性,γ-hemolysin陽性でCA-MRSAと判定し,TSST-1も陽性であった.近年,本邦においてPVL陽性CA-MRSA感染症の報告が増加傾向にあり,本症例も病原体の強い毒性のため重症化したと考えられた.重症度の高い症例では起炎菌としてCA-MRSAを考え早期に抗MRSA薬追加を検討する必要がある.
| Key words | 壊死性肺炎,敗血症性ショック,PVL,市中感染型MRSA |
|---|---|
| 連絡先 | 島 さほ 〒830-0011 久留米市旭町67 番地 久留米大学小児科学講座 |
| 受付日 | 2023年7月28日 |
| 受理日 | 2024年3月9日 |
小児感染免疫 36 (2):145─152,2024
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