機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─症例報告─

発熱に続き鼠径リンパ節腫脹がみられた川崎病の1例

花輪 和1, 2), 生駒 直寛1, 2), 小林 尚明1, 2)

1)康心会汐見台病院小児科 2)東京慈恵会医科大学小児科学講座


 発熱に続き鼠径リンパ節腫脹がみられた川崎病の1例を経験した.症例は7か月,男児.入院2日前から発熱し,入院当日から右鼠径部の腫脹が出現したため前医を受診し,精査加療目的で当科を紹介された.当院受診時,右鼠径部に発赤と疼痛を伴う4cm×2cm程度の腫瘤があり,超音波検査で血流の増加を認めたため化膿性リンパ節炎と判断し抗菌薬加療を行ったが,発熱が遷延し炎症反応高値が持続した.発症6日目に川崎病主要症状5項目(発熱,口唇発赤,BCG接種痕の発赤,四肢末端の変化,両側眼球結膜充血)が揃ったため,川崎病と診断し免疫グロブリンとアスピリン投与を行い,速やかに解熱が得られた.川崎病の治療開始とともに抗菌薬投与は終了とした.
 発熱に続き鼠径リンパ節腫脹が出現した川崎病はまれであるが,今回の経験から,頸部リンパ節以外のリンパ節腫脹を伴う場合でも,川崎病症状の出現に注意すべきと考えられた.

Key words 川崎病,鼠径リンパ節腫脹,発熱,小児
連絡先 花輪 和 〒235-0022 横浜市磯子区汐見台1-6-5 康心会汐見台病院小児科
受付日 2023年8月11日
受理日 2024年1月19日

小児感染免疫 36 (2):133─139,2024

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