機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─第54 回 日本小児感染症学会ワークショップ:感染症診療における問診(症状)聴取および理学所見の重要性─

皮膚症状と皮膚炎

宮入 烈1)

1)浜松医科大学小児科学講座 〔〒431-3192 浜松市東区半田山町一丁目20 番1 号〕


皮膚の症状や所見は感染症診断の鍵となることが多く,注意深い身体診察によるsnap diagnosis もときに可能である.その際の鑑別は,皮膚軟部組織感染症と感染症の一所見としての皮疹に大別される.いずれの場合も,診断のプロセスは皮疹を形態的に分類することから始まり,分布,タイミング,他の症状や所見との組み合わせを総合して行う.皮膚軟部組織感染症においては,深達度を意識した問診と所見取りが鍵となる.全身感染症の一所見としての皮疹は,水疱性病変と紅斑に大別される.水疱や潰瘍性病変は比較的特異的な所見であり,水痘帯状疱疹ウイルス,単純ヘルペスウイルス,エンテロウイルスが主な原因である.一方で紅斑や丘疹については,診断は容易ではなく,非特異的なウイルス性発疹症の中から臨床的に重要な疾患を積極的に除外していくことが求められる.全身性細菌感染症の場合,皮疹は副次的な所見のことが多いが,原因は感染性心内膜炎,電撃性紫斑病,播種性淋菌感染症,壊疽性膿痂疹など重要なものが多く,逃さず診断と治療に結び付けることが求められる.

小児感染免疫 35 (2):172─177,2023

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