機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─症例報告─

COVID-19 に中耳炎,硬膜外膿瘍,静脈洞血栓症を合併した10 歳男児

纐纈 昌樹1), 鈴木 道雄1), 木下 薫1), 竹尾 俊希1), 大森 大輔1), 深沢 達也1), 宮島 雄二1), 久保田 哲夫1)

1)安城更生病院小児科


硬膜外膿瘍や静脈洞血栓症は中耳炎や副鼻腔炎に伴うまれな合併症である.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に中耳炎,硬膜外膿瘍と静脈洞血栓症を合併した症例を報告する.本症例は治療中に薬疹を合併したが,小児多系統炎症性症候群(MIS-C)と考えて投与した免疫グロブリンが奏功した.症例は10 歳男児.発熱,左耳痛,頭痛があり,第2 病日にSARS-CoV-2 PCR 検査陽性であった.第3 病日に急性中耳炎と診断され経口抗菌薬治療後に解熱したが左耳痛と頭痛は持続し,第12病日に当院を受診した.頭部CT とMRI で硬膜外膿瘍,静脈洞血栓症を認め入院した.抗菌薬治療と抗凝固療法で症状,検査所見は改善したが,膿瘍は縮小しなかった.第26 病日に皮疹,発熱,頸部リンパ節腫脹と,CRP 上昇,血球減少を認め,薬疹を考慮し抗菌薬を変更し,MIS-C も考えられたため免疫グロブリン大量静注療法を実施した.第34 病日に硬膜外膿瘍に対して穿頭ドレナージ術を実施し術後2 週間抗菌薬を投与し改善した.中耳炎や副鼻腔炎は頻度の高い疾患だが,まれに硬膜外膿瘍や静脈洞血栓症を合併することがあり,感染症に続く頭痛では頭蓋内疾患の鑑別が必要である.

Key words COVID-19,中耳炎,硬膜外膿瘍,静脈洞血栓症,薬疹
連絡先 纐纈昌樹 〒446-8602 安城市安城町東広畔28 番地 安城更生病院小児科
受付日 2023年4月21日
受理日 2023年11月17日

小児感染免疫 36 (1):19─27,2024

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