機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第36巻第1号目次 > 抄録

─原著─

小児におけるMRSA USA300 株の臨床的特徴

藤井 卓也1), 舟越 葉那子2), 峠 千晶3, 4), 庄司 健介3), 幡谷 浩史1), 堀越 裕歩2)

1)東京都立小児総合医療センター総合診療部総合診療科 2)同 感染症科
3)国立成育医療研究センター小児内科系専門診療部感染症科 4)広島大学病院小児科


メチシリン耐性黄色ブドウ球菌USA300 株は米国で主流の皮膚軟部組織感染症などの原因株である.特徴として病原因子のPanton Valentine Leukocidin を持ち,侵襲性感染症を起こすが,日本国内では比較的まれとされる.2020 年1 月~ 2021 年8月の期間で東京の小児病院2 施設で同株の後方視的研究を行った.問診および検査から同株が疑われた菌株を対象にゲノム解析でUSA300 株の同定を行った.16 症例が得られ,年齢の中央値は4.0(IQR:1.0 ~ 7.5)歳,男児が69%であった.12 例が皮膚軟部組織感染症,4 例は侵襲性感染症で,うち1 例は小児集中治療室での治療を要した.抗菌薬治療はバンコマイシン,テイコプラニン,クリンダマイシンが使用されていた.抗菌薬投与期間の中央値は皮膚軟部組織感染症で7.0(IQR:5.0 ~ 14.3)日,侵襲性感染症で148(IQR:79.3 ~ 206)日であった.膿瘍の外科的排膿は7 例で行われた.本研究では外科的排膿を要する皮膚軟部組織感染症が多く,集中治療を要する侵襲性感染症もみられた.本研究の結果は米国の報告と類似していた.

Key words MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌),USA300,PVL
連絡先 藤井卓也 東京都立小児総合医療センター 〒183-8561 府中市武蔵台2 丁目8-29
受付日 2023年3月10日
受理日 2023年11月18日

小児感染免疫 36 (1):3─11,2024

PAGE TOP