機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第35巻第4号目次 > 抄録

─症例報告─

気道確保の処置を契機にStreptococcus agalactiae による肺炎と敗血症を呈した遅発型侵襲性感染の早産児例

長井 孝太1), 木下 正啓1), 三宅 淳1, 2), 多々良 一彰1), 屋宮 清仁1), 後藤 憲志1, 2)

1)久留米大学医学部小児科学講座 2)同 感染制御部


Streptococcus agalactiae は,早産児の遅発型侵襲性感染やneonatal intensive care unit での水平感染の問題があるが,保菌している新生児への除菌の是非は結論が出ていない.今回,S. agalactiae 保菌者が,気道確保の処置に伴う遅発型侵襲性感染の肺炎を呈した症例を報告する.在胎27 週0 日の早産児,超低出生体重児のため入院し,出生時の各種培養検査は陰性であった.日齢56 に未熟児網膜症に対するラニビズマブの眼内注射のため,全身麻酔と気管挿管を施行したが,翌日から急速に呼吸状態が悪化し,気管内・血液培養の分離株がS. agalactiae と同定されたため,S. agalactiae による肺炎および敗血症と診断した.抗菌薬は奏功し神経学的後遺症なく退院した.過去の鼻腔の監視培養を再確認したところS. agalactiae の保菌が判明し,気管挿管を契機に肺炎に進展したものと判断した.血清型はV 型,遺伝子型はST-19 と保菌例に多い菌株であった.S. agalactiae の保菌者には,気道確保など侵襲的な処置の前には予防的に抗菌薬を投与することが望ましいかもしれない.

Key words Streptococcus agalactiae,新生児集中治療室,肺炎,遅発型侵襲性感染,保菌者
連絡先 木下正啓 〒830-0011 久留米市旭町67 久留米大学小児科講座
受付日 2023年6月6日
受理日 2023年9月16日

小児感染免疫 35 (4):357─363,2023

PAGE TOP