─症例報告─
股関節への過度の負荷後に発症した,化膿性閉鎖筋炎の幼児例
飯尾 知輝1) , 小張 真吾1) , 磯崎 淳1)
1)横浜市立みなと赤十字病院小児科
化膿性筋炎は,学童期以降の報告が大多数を占める.われわれは,股関節への過度の負荷の後に発症した化膿性閉鎖筋炎の幼児例を経験した.生来健康な5 歳の男児が,2 ~ 3 歳用の足こぎ式のペダルカーで3 時間遊んだ。その後,発熱,右股関節・右膝関節痛を生じ,第3 病日に救急外来を受診した.血液検査で炎症反応の上昇があり,精査加療を目的に入院した.入院時に採取した血液培養で2 セットからMethicillinsensitive Staphylococcus aureus( MSSA)が分離・同定され,その後に施行した股関節単純MRI 検査で右外閉鎖筋にT2 強調画像で高信号を認め,化膿性閉鎖筋炎と診断した.入院後にcefazolin を投与し,反応は良好であった.計4 週間抗菌薬加療を行い,再燃なく経過した.
幼児であっても,過度な運動後に発熱と股関節痛を訴え,かつ炎症反応の上昇を伴う際は,化膿性閉鎖筋炎も考慮することが重要である.
Key words | 化膿性閉鎖筋炎,幼児,運動負荷 |
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連絡先 | 飯尾知輝 〒231-8682 横浜市中区新山下3 丁目12-1 横浜市立みなと赤十字病院小児科 |
受付日 | 2022年5月9日 |
受理日 | 2022年9月30日 |
小児感染免疫 34 (4):277─284,2022
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