─原著─
小児病院における小児膿胸の臨床的特徴
多田 歩未1) , 谷口 公啓1) , 曽根田 京子1) , 舟越 葉那子1) , 堀越 裕歩1)
1)東京都立小児総合医療センター感染症科
小児の膿胸は肺炎の合併症としてまれだが,重症例や難治例もある.今回,2010 年3 月~ 2021 年12 月に当院で膿胸と診断された14 例を後方視的に検討した.年齢中央値は8.5 歳(IQR:3 歳3 か月~ 12 歳),5 例(36%)が基礎疾患を有していた.原因微生物が9 例(64%)で判明し,ラテックス凝集反応による抗原検査で同定された1 例を除き胸水培養で同定され,肺炎球菌,黄色ブドウ球菌,化膿レンサ球菌,Streptococcus anginosus group が各2 例(14%)であった.先行抗菌薬の投与があった8 例の胸水培養は,4 例(50%)で陽性だった.全例で静注抗菌薬が投与され,13例(93%)で胸腔ドレナージ術または胸腔穿刺,8 例(57%)で線維素溶解療法,4 例(29%)で胸腔鏡下手術が実施された.診断から手術までの期間は中央値7.5 日(IQR: 6.5 ~ 8.25 日)だった.2 例(14%)で人工呼吸器管理を要したが,再発例や慢性膿胸へ移行した例はなかった.小児の膿胸では,培養陰性の例も多くラテックス凝集反応による抗原検査などが有用となる場合がある.本研究では長期予後は良好だったが,治療方法の選択やタイミングは更なる検討を要する.
Key words | 膿胸,ラテックス凝集反応,線維素溶解療法,VATS |
---|---|
連絡先 | 多田歩未 〒183-8561 府中市武蔵台2-8-29 東京都立小児総合医療センター感染症科 |
受付日 | 2022年2月15日 |
受理日 | 2022年11月29日 |
小児感染免疫 34 (4):263─270,2022
- 第36巻
- 第35巻
- 第34巻
- 第33巻
- 第32巻
- 第31巻
- 第30巻
- 第29巻
- 第28巻
- 第27巻
- 第26巻
- 第25巻
- 第24巻
- 第23巻
- 第22巻
- 第21巻
- 第20巻
- 第19巻
- 第18巻