機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第33巻第4号目次 > 抄録

─症例報告─

頭頸部手術後に発症した肺炎球菌性髄膜炎の2例

宮崎 裕之1), 田中 悠平1), 島 さほ1), 三宅 淳1,2), 多々良 一彰1), 屋宮 清仁1), 後藤 憲志1,2)

1)久留米大学医学部小児科学講座
2)同 感染制御学講座


侵襲性肺炎球菌感染症(invasive pneumococcal disease;IPD)は,肺炎球菌結合型ワクチンが定期接種として普及した現在でも毎年発生している.われわれは,頭頸部手術後に肺炎球菌性髄膜炎を発症した2 例を経験したため報告する.症例1 は,アデノイド切除および両側鼓膜チューブ挿入術の翌日に肺炎球菌性髄膜炎を発症した6 歳男児であり,症例2 は,両側先天性難聴に対して人工内耳埋め込み術を実施して5 か月後に同疾患を発症した7 歳女児であり,2 例とも13 価肺炎球菌結合型ワクチン(13-valent pneumococcal conjugate vaccine;PCV13)を接種していた.本症例の起因菌はそれぞれ15B,15A によるものであり,ともにPCV13 非含有血清型であった.近年,PCV13 非含有血清型によるIPD が増加している.細菌性髄膜炎は5 歳未満に多いが,本症のように基礎疾患がある場合は年長児でも発症することがある.頭頸部術後の細菌性髄膜炎はまれであるが,術後に発熱・頭痛・嘔吐などを認めた場合は,細菌性髄膜炎を念頭に入れて注意深く診療を行うべきである.

Key words 肺炎球菌,髄膜炎,13 価肺炎球菌結合型ワクチン,頭頸部手術,術後合併症
連絡先 田中悠平 〒830-0011 久留米市旭町67 久留米大学医学部小児科学講座
受付日 2021年6月5日
受理日 2021年10月4日

小児感染免疫 33 (4):373─380,2021

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