機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─症例報告─

Stenotrophomonas maltophiliaによる中心静脈カテーテル関連血流感染症をきたした神経性食思不振症患者の1例

鈴木 健太1), 柳沼 和史1), 浅野 裕一朗1), 渡部 真裕1), 佐藤 晶論1), 細矢 光亮1)

1)福島県立医科大学小児科学講座


Stenotrophomonas maltophilia は,カルバペネム系抗菌薬など多くの抗菌薬に自然耐性を有しており,免疫不全患者に対して病原性を示し,重症化することが知られている.今回,神経性食思不振症(anorexia nervosa;AN)の経過中にS. maltophiliaによる中心静脈カテーテル関連血流感染症(central line-associated bloodstreaminfection;CLABSI)を発症した症例を経験した.症例は11 歳の女児,AN と診断され,当院で中心静脈栄養管理を2 か月間行ったが,発熱,悪寒,活気不良を呈したため,CLABSI を疑いカテーテルを抜去して抗菌薬治療を開始した.同日採取した血液培養からS. maltophilia が検出され,感受性のある抗菌薬へ変更して治療を継続し,重症化することなく経過した.AN 患者は,長期にわたる低栄養により易感染状態にあることを念頭に入れ,中心静脈栄養管理中に発熱をきたす場合にはCLABSIを疑い可及的速やかにカテーテルを抜去し,適切な抗菌薬治療を開始することが肝要である.

Key words 神経性食思不振症,Stenotrophomonas maltophilia,中心静脈カテーテル関連血流感染症
連絡先 鈴木健太 〒960-1295 福島市光が丘1 福島県立医科大学小児科学講座
受付日 2021年4月2日
受理日 2021年9月22日

小児感染免疫 33 (4):366─373,2021

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