─症例報告─
不明熱を主訴とした子宮内膜筋層炎合併の小児細菌性腟症の1例
江﨑 裕幸1), 大坪 善数1), 戸根 英子2), 松尾 由美2), 森内 浩幸3)
1)佐世保市総合医療センター小児科 2)同 医療技術部臨床検査室 3)長崎大学病院小児科
細菌性腟症は通常,発熱などの全身症状をきたさず,帯下が主な症状である.今回,感染巣不明の発熱を主訴として紹介された女児において,細菌性腟症から上行性に子宮まで感染が及んだと思われる症例を経験した.症例は1歳の女児で,入院3日前から発熱があった.発熱以外の症状の訴えはなく,診察所見にも明らかな異常はなかったがCRPは高値であった.尿路感染症を疑いカテーテル尿を採取しようとした際に膿性帯下に気付き,造影CT検査を行ったところ腟の拡張と液貯留に加えて子宮頸部や体部にも造影効果の増強がみられ,子宮内膜筋層炎の合併と診断した.帯下の培養では大腸菌が検出された.
本症例の経験から,思春期前小児であっても感染巣不明の発熱の鑑別診断に生殖器感染症を含めることが重要と考えられた.細菌性腟症およびその上行性感染の診断にあたっては帯下の異常が重要な所見であるが,自発的には訴えない可能性があり,積極的な問診と診察が必要である.
Key words | 帯下, 生殖器感染症, 細菌性腟症, 上行性感染, 不明熱 |
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連絡先 | 江﨑裕幸 〒857-8511 佐世保市平瀬町9番地3 佐世保市総合医療センター小児科 |
受付日 | 2020年8月12日 |
受理日 | 2021年2月1日 |
小児感染免疫 33 (2):101─106,2021
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