機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第33巻第1号目次 > 抄録

─原著─

2014年に高知県西部で流行したコクサッキーウイルスによる胸痛症と筋痛症

森下 祐介1,2), 前田 明彦1), 石原 正行2), 白石 泰資1)

1)高知県立幡多けんみん病院小児科 2)高知大学医学部小児思春期医学講座


2014年の6~9月に高知県西部で経験したコクサッキーウイルスB2による流行性胸痛症の4例とコクサッキーウイルスA4とA5による流行性筋痛症の3例を報告する.うち11歳の男児1例は二度発症し,6月に胸痛症に精巣上体炎を合併し,9月にも胸痛を欠き四肢に限局した筋痛症に罹患した.全例で疼痛は発作性で,対症療法で回復した.胸痛症の例では,心・腹部の危急性重篤疾患との鑑別を要した.病原ウイルス種と疼痛部位に関連性があることが示唆された.近年報告が少なく,鑑別診断に想起されにくくなっている現状があり,疾患の啓発が望まれる.

Key words 流行性筋痛症, 流行性胸痛症, Bornholm病, coxsackievirus, エンテロウイルス
連絡先 森下祐介 〒783-8505 南国市岡豊町小蓮185-1 高知大学医学部附属病院小児科
受付日 2020年7月13日
受理日 2021年1月7日

小児感染免疫 33 (1):15─21,2021

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