─症例報告─
発熱,好酸球増多から診断された播種性クリプトコックス症の健常小児例
松原 あずさ1), 外川 正生1), 北口 彩1), 天羽 清子1)
1)大阪市立総合医療センター小児救急科
健常者におけるクリプトコックス感染は通常無症状であり,健診などで偶然発見されることも多い.今回,発熱,好酸球増多から診断された播種性クリプトコックス症の健常小児例を経験した.症例は15歳の男児である.発熱が11日間持続し,前医で白血球増加,好酸球増加,炎症反応上昇,造影CT検査で胸腹部リンパ節腫大と肺結節,多発肝・脾結節を認め,精査加療目的に当院へ転院した.超音波気管支鏡ガイド下針生検(endobronchial ultrasound-guided fine needle aspiration;EBUS-FNA)で得られた検体で,酵母状菌体を認め,針生検組織の培養からCryptococcus neoformansが同定され,診断された.好酸球増多を伴う発熱が続く場合は,クリプトコックス感染も考慮に入れるべきである.
Key words | Cryptococcus neoformans, 播種性クリプトコックス, 好酸球増多, アレルギー |
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連絡先 | 松原あずさ 〒534-0021 大阪市都島区都島本通2-13-22 大阪市立総合医療センター小児救急科 |
受付日 | 2020年2月10日 |
受理日 | 2020年6月11日 |
小児感染免疫 32 (3):221─227,2020
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