─症例報告─
インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルス感染を契機に発症した鋳型気管支炎に対する陽陰圧体外式人工呼吸器の有効性
野崎 翔太郎1), 及川 裕之1), 肥沼 悟郎1,2), 新庄 正宜1), 川上 千春3), 高橋 孝雄1)
1)慶應義塾大学病院小児科 2)国立成育医療研究センター病院器官病態系内科部呼吸器科 3)横浜市衛生研究所微生物検査研究課
鋳型気管支炎(plastic bronchitis;PB)は粘液栓が気道を閉塞し,呼吸不全をきたす疾患である.標準治療は硬性気管支鏡による粘液栓の除去であるが難渋することも少なくない.今回,インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルス感染を契機にPBを発症し,陽陰圧体外式人工呼吸器(biphasic cuirass ventilation;BCV)が著効し,粘液栓の除去に成功した8歳女児例を経験した.本症例では,胸部X線写真で気管支透亮像が確認できたこと,有効な咳嗽が維持されていたことがBCVにより粘液栓の除去ができた要因と考えられた.そのような条件が揃っていればBCVはPBの粘液栓除去に有効な可能性がある.
Key words | 鋳型気管支炎, 陽陰圧体外式人工呼吸器, インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルス |
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連絡先 | 新庄正宜 〒160-8582 東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学医学部小児科 |
受付日 | 2019年10月31日 |
受理日 | 2020年2月6日 |
小児感染免疫 32 (2):122─127,2020
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