機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─症例報告─

川崎病の診断基準を満たし上部消化管出血を合併したYersinia pseudotuberculosis感染症の1例

中村 奈都紀1), 原 紳也1), 野田 晴香1), 西尾 洋介1), 河野 好彦1)

1)トヨタ記念病院小児科


Yersinia pseudotuberculosisY. pstb)感染症は発熱や下痢,嘔吐などの腹部症状の他,眼球結膜充血やいちご舌,発疹,四肢末端の落屑などの川崎病様症状を呈することで知られている.我々は初発症状として上部消化管出血を認め,川崎病と診断されたが最終的にY. pstb感染症であった1例を経験した.症例は発熱,吐血,黒色便で受診した3歳11か月男児.発熱5日目に眼球結膜充血と口唇発赤,頸部リンパ節腫脹,背部の紅斑を認め川崎病と診断した.また,上部消化管内視鏡検査を施行し,胃潰瘍の所見を認めた.川崎病に対して免疫グロブリンとフルルビプロフェンで,胃潰瘍に対してランソプラゾールで治療を行った.再度問診したところ,井戸水の飲用が判明したため,血清免疫学的検査を施行しY. pstb感染症と確定診断した.児が飲用していた井戸水から同菌は検出されなかった.アスピリン投与前の川崎病に上部消化管出血を合併した報告は少なく,本症例においてY. pstb感染症が上部消化管出血に関与した可能性が示唆された.

Key words 川崎病, 上部消化管出血, エルシニア感染症, Yersinia pseudotuberculosis
連絡先 中村奈都紀 〒471-0821 豊田市平和町1-1 トヨタ記念病院小児科
受付日 2019年3月14日
受理日 2019年9月3日

小児感染免疫 31 (4):361─366,2019

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