─症例報告─
気管支鏡下に採取した気管内吸引痰からPCR法でTreponema pallidumが検出された先天梅毒の1例
井口 貴文1), 中谷 恵理1), 吉田 忍1)
1)近江八幡市立総合医療センター小児科
先天梅毒は若年女性の梅毒罹患者増加に伴い増加傾向であり,重篤な経過をたどる症例もある.症例は在胎34週3日,体重2,108g,Apgar score 3点/6点(1分値/5分値)で経腟分娩で出生した女児で,早産,低出生体重,重症新生児仮死,呼吸不全のため当院のNICUに入院した.出生時に四肢の対称性皮膚剝離および脾腫を認め,血液検査でRPR陽性,TPHA陽性であったため先天梅毒と診断し,ベンジルペニシリンによる治療を行った.新生児遷延性肺高血圧症を合併し,人工呼吸器管理下での一酸化窒素吸入療法を施行中に,日齢2に無気肺による呼吸状態の増悪を認めたため,気管支鏡下喀痰除去術を行った.その際に回収した検体からPCR法でTreponema pallidumが検出された.ベンジルペニシリンによる治療は日齢15まで行い,日齢53に退院となった.先天梅毒の症例数は少ないが増加傾向のため,新生児科医および小児科医は念頭に置いて早期診断・治療を行うべきである.また先天梅毒児治療中の気管内吸引痰等の管理の際は標準予防策の徹底を全スタッフに周知することが望まれる.
| Key words | 先天梅毒, 新生児遷延性肺高血圧症, 気管内吸引痰, PCR |
|---|---|
| 連絡先 | 井口貴文 〒523-0082 近江八幡市土田町1379 近江八幡市立総合医療センター小児科 |
| 受付日 | 2019年3月14日 |
| 受理日 | 2019年8月14日 |
小児感染免疫 31 (4):355─360,2019
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