─症例報告─
不明熱の診断に苦慮した肝脾型ネコひっかき病の1例
冨永 あかね1), 池田 憲呼1), 山田 洸夢1), 田代 香澄1), 原田 定智1), 岡田 雅彦2), 森内 浩幸2)
1)諫早総合病院小児科 2)長崎大学病院小児科
ネコひっかき病(cat scratch disease;CSD)は猫のひっかき傷や咬傷が原因となり,リンパ節腫大や発熱を主徴とする,人獣共通感染症の一つである.我々はリンパ節腫大を認めず多発性肝脾膿瘍を伴う不明熱からCSDと診断した症例を経験した.症例は12歳女児.5日間持続する発熱で当院に入院し,セフォタキシムやミノサイクリンによる加療を開始したが,夜間に40℃の発熱を認める弛張熱が持続した.右季肋部痛を認めるようになり,第13病日に腹部CT,腹部MRIを施行したところ多発性肝脾膿瘍を認め,また猫の飼育歴も判明し,CSDを疑った.スルバクタム/セフォペラゾン,アジスロマイシン,リファンピシン投与後は徐々に解熱し,第16病日採取の血清でのBartonella henselae IgGおよびIgM抗体価有意上昇から,CSDとそれに伴う多発性肝脾膿瘍と診断した.第24病日に退院し,第61病日の腹部MRIでは明らかな病変の縮小を認めた.CSDには,表在リンパ節腫大や引っかき傷を認めない非定型例がある.不明熱の鑑別としてCSDは重要であり,動物との接触歴の聴取や画像検査が診断に有用なことがある.
| Key words | ネコひっかき病, 不明熱, 多発肝脾膿瘍, 非定型例, リンパ節腫脹 |
|---|---|
| 連絡先 | 冨永あかね 〒852-8501 長崎市坂本1-7-1 長崎大学病院小児科 |
| 受付日 | 2019年2月7日 |
| 受理日 | 2019年8月13日 |
小児感染免疫 31 (4):347─353,2019
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