機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第31巻第4号目次 > 抄録

─症例報告─

画像評価が感染経路の同定,髄膜炎合併の評価に有用だった,仙骨前膿瘍を形成したCurrarino症候群の1例

坂谷 駿1), 松島 崇浩1), 幡谷 浩史1)

1)東京都立小児総合医療センター総合診療科


Currarino症候群は,仙骨前腫瘍,肛門直腸奇形,仙骨奇形を三徴とする稀な常染色体優性遺伝疾患である.発生学的に腸管と仙骨前腫瘍,脊髄腔との間に瘻孔を形成することがあり,腫瘍周囲や髄腔内に感染した場合,仙骨前膿瘍や髄膜炎を合併しうる.稀な症候群ではあるが,髄膜炎や悪性腫瘍などの生命予後に関わる合併症があるため早期診断・治療の意義は高い.7か月女児が2か月続く発熱と仙骨前腫瘤の精査加療目的で入院した.三徴と家族歴から臨床的にCurrarino症候群と診断した.注腸造影検査で直腸と仙骨前腫瘤との間に瘻孔形成が示唆され,瘻孔を介して腫瘤から排膿したことで,熱源は仙骨前腫瘍周囲の膿瘍と考えた.MRIで仙骨前腫瘤は脊柱管尾側端と索状物で連続していたが,脳脊髄液の交通は認めず,髄膜炎の合併は否定的と考えた.抗菌薬と経肛門的ドレナージで膿瘍腔は縮小し,仙骨前腫瘍摘出術を施行した.肉眼的に瘻孔や残存膿瘍は認めず,術後経過に問題なく退院した.Currarino症候群に熱源不明の発熱を伴う場合,腸管との瘻孔形成に伴う仙骨前膿瘍,髄膜炎を念頭に置き,多角的な画像評価に基づく適切な治療が重要である.

Key words Currarino症候群, 仙骨前膿瘍, 髄膜炎, 画像評価
連絡先 坂谷 駿 〒183-8561 府中市武蔵台2-8-29 東京都立小児総合医療センター総合診療科
受付日 2019年3月14日
受理日 2019年7月18日

小児感染免疫 31 (4):341─346,2019

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