機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第31巻第4号目次 > 抄録

─原著─

抗菌薬適正使用に関するパンフレット配布は,小児患者家族の知識変化・意識変容に有用か?

草野 泰造1), 星野 直1), 黒崎 知道2), 阿部 博紀3), 石和田 稔彦4)

1)千葉県こども病院感染症科 2)くろさきこどもクリニック 3)あべひろきこどもクリニック 4)千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野


小児医療において,薬剤耐性(AMR)対策を進めるためには,医療者側の意識だけでなく,患者側の意識を変えることも重要である.今回,小児科・耳鼻咽喉科クリニックにおいて,患者家族に「かぜ・抗菌薬・耐性菌」に関する知識を説明するパンフレットを配布する啓発活動を行い,配布後にアンケート調査を実施することで,AMRに関する知識と意識への効果を前向きに検討した.
配布後アンケートは知識・意識をそれぞれ4問ずつ問うものとし,パンフレットを読んだことがない群(非介入群:n=532)と読んだことがある群(介入群:n=230)を比較した.知識に関する質問では,「かぜに対しての抗菌薬は効く」と答えた者は非介入群で47.7%,介入群で29.6%と有意差があり(p<0.05),「薬剤耐性菌について聞いたことがある」と答えた者は非介入群で47.2%,介入群で77.8%と有意差を認めた(p<0.05).一方,意識に関する質問では,全ての質問で有意差を認めなかった.
パンフレット配布によって小児患者家族の知識は改善したものの,意識に関しては変化が認められなかったため,今後のAMR対策活動にはパンフレット配布以外の多面的な活動との併用が必要である.

Key words 薬剤耐性アクションプラン, 抗菌薬適正使用, 患者啓発, アンケート調査, パンフレット配布
連絡先 草野泰造 〒266-0007 千葉市緑区辺田町579-1 千葉県こども病院感染症科
受付日 2019年4月18日
受理日 2019年8月2日

小児感染免疫 31 (4):327─334,2019

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