─原著─
BCGワクチン接種後にコッホ現象が疑われた23例の検討
阿部 智史1), 澁谷 聖月2), 岩丸 良子2), 五十嵐 麻依子2), 内藤 朋巳2), 及川 奈央2), 大山 昇一2)
1)東海大学医学部付属病院総合内科 元済生会川口総合病院初期臨床研修医 2)済生会川口総合病院小児科
コッホ現象は小児の結核感染を発見することができる貴重な機会である.本研究では,コッホ現象が疑われて済生会川口総合病院外来を受診した患者23例について検討を行った.外来初診時の月齢は4か月から8か月の児であり,平均月齢は5.8か月だった.23例の接種後早期の局所所見を永井が示した「コッホ現象への対応」フローチャートに示された接種後局所所見のGrade分類に従って分けると,Grade1:2例,Grade2:2例,Grade3:10例,Grade4:8例,Grade5:0例,Grade6:1例であった.「真の」コッホ現象,すなわち結核菌既感染と判断したのは23例のうち14例であった.月齢が高くになるにつれて「真の」コッホ現象の割合は増加した.「真の」コッホ現象14例には結核菌特異的インターフェロンγ遊離試験(IGRA)及び胸部画像検査を行ったが,これらの検査は陰性であり,全14例を潜在性結核感染症と診断した.潜在性結核感染症に対する治療は14例中13例に適用し,2年間の経過観察を終了した時点で結核発症者は1人も認めなかった.この研究においてコッホ現象による結核発症例は見つからなかったが,アジアには結核罹患率が高い地域が多く,注意深くコッホ現象を観察することが必要であると考える.
| Key words | コッホ現象, 結核, 潜在性結核感染症(LTBI), BCG, 抗原特異的インターフェロンγ遊離検査(IGRA) |
|---|---|
| 連絡先 | 阿部智史 〒259-1193 伊勢原市下糟屋143 東海大学医学部付属病院総合内科医局 |
| 受付日 | 2018年7月24日 |
| 受理日 | 2019年7月25日 |
小児感染免疫 31 (4):321─326,2019
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