─原著─
2017年度にA群溶血性レンサ球菌が分離された小児の臨床像と分離株の抗菌薬感受性
春田 一憲1), 尾崎 隆男1), 赤野 琢也1), 高尾 洋輝1), 福田 悠人1), 吉兼 綾美1), 鬼頭 周大1), 野口 智靖1), 後藤 研誠1), 竹本 康二1), 西村 直子1)
1)江南厚生病院こども医療センター
2017年4月~2018年3月の1年間に,当院小児科を受診した187例の咽頭ぬぐい液から187株のA群溶血性レンサ球菌が分離された.全分離株について17種抗菌薬のminimal inhibitory concentration(MIC)を測定,CLSIの基準に従ってS,I,Rを判定し,IとRを耐性として検討した.抗菌薬感受性については過去に行った5回の調査成績(1996年n=431,2001年n=317,2003年n=295,2006年n=438,2013年n=215)と比較した.
月別分離患者数は5~7月に多く,秋に少なかった.年齢中央値は4歳9か月(20日~15歳9か月),同胞例は4組8例であった.症状の発現頻度は,発熱(≧37.5℃)88%,咽頭痛または咽頭発赤79%,発疹18%,リンパ節腫脹16%の順であった.3例が膿痂疹を合併し,急性糸球体腎炎とIgA血管炎を1例ずつ認めた.175例に抗菌薬治療が行われ,うち4例は治療終了6~41日後に再発した.clarithromycin(CAM),clindamycin(CLDM),levofloxacin(LVFX)にそれぞれ43.9%,27.3%,1.1%の株が耐性を示し,過去5回を含む全1,883株にβラクタム系抗菌薬およびvancomycin(VCM)に対する耐性株はなかった.CAM耐性率は2001年13.2%,2003年19.7%,2006年19.6%,2013年58.1%,今回43.9%と,近年約半数の株がCAM耐性である.
| Key words | A群溶血性レンサ球菌, 抗菌薬感受性, βラクタム系抗菌薬, クラリスロマイシン(CAM)耐性 |
|---|---|
| 連絡先 | 西村直子 〒483-8704 江南市高屋町大松原137番地 江南厚生病院こども医療センター |
| 受付日 | 2019年2月18日 |
| 受理日 | 2019年7月4日 |
小児感染免疫 31 (4):313─320,2019
- 第37巻
- 第36巻
- 第35巻
- 第34巻
- 第33巻
- 第32巻
- 第31巻
- 第30巻
- 第29巻
- 第28巻
- 第27巻
- 第26巻
- 第25巻
- 第24巻
- 第23巻
- 第22巻
- 第21巻
- 第20巻
- 第19巻
- 第18巻