─症例報告─
小児に発症した喉頭帯状疱疹の1例
小池 宏美1), 黒沢 祥浩1), 三村 成巨1), 石川 真紀子1), 竹内 穂高1), 原 睦子2), 中島 千賀子1)
1)上尾中央総合病院小児科 2)同 耳鼻科
小児の帯状疱疹は比較的稀で,中でも喉頭に限局した喉頭帯状疱疹は小児科の日常診療では出会うことが少ない.今回私たちは,10歳の喉頭帯状疱疹を経験し,本邦での喉頭帯状疱疹の報告例34例の臨床像をまとめ検討した.発熱がみられたのは6例(18%)だったが,激しい咽頭痛が34例中27例(79%)で認められた.34例中5例で神経麻痺が残存し,うち2例では急性期に抗ウイルス薬の投与が行われていなかった.本症例においては,喉頭内視鏡検査で片側性の喉頭粘膜疹を認め,これが診断のきっかけとなり早期診断・治療を行うことができた.確定診断にはウイルス抗体価による診断が必要だが,無熱性の激しい咽頭痛と典型的な喉頭内視鏡所見を認めた際には,本疾患を疑って抗ウイルス薬を早期より投与すべきである.
Key words | 小児, 喉頭, 帯状疱疹, 水痘帯状疱疹ウイルス再活性 |
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連絡先 | 小池宏美 〒362-8588 上尾市柏座1-10-10 上尾中央総合病院小児科 |
受付日 | 2019年1月10日 |
受理日 | 2019年4月11日 |
小児感染免疫 31 (3):269─273,2019
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