機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

重症心身障害児におけるヒトメタニューモウイルス感染症の臨床像の検討

清水 彰彦1)

1)群馬県立小児医療センターアレルギー・感染免疫・呼吸器科


ヒトメタニューモウイルス(HMPV)は,小児の気道感染症の原因となる重要なウイルスの一つである.2015年1月〜2018年8月の期間に,当院でHMPV感染症と迅速抗原検査で診断した症例を対象に,基礎疾患のない児と重症心身障害児のHMPV感染症の臨床的特徴を検討した.基礎疾患のない児は20例,重症心身障害児は17例であった.基礎疾患のない児と比較し,重症心身障害児の方が,診断時の年齢が高く,追加の酸素投与や全身ステロイド投与を要する症例が多かった.診断時の好中球数,血清C反応性蛋白(CRP)が高値であり,抗菌薬投与を要する症例が多かった.重症心身障害児のHMPV感染では,学童期でも呼吸障害や細菌感染の合併により重症化し,長期入院が必要な例が多いことが示された.

Key words ヒトメタニューモウイルス, 重症心身障害児
連絡先 清水彰彦 〒377-8577 渋川市北橘街下箱田779 群馬県立小児医療センターアレルギー・感染免疫・呼吸器科
受付日 2019年3月7日
受理日 2019年5月23日

小児感染免疫 31 (3):235─240,2019

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