─症例報告─
急性脳症および敗血症性ショックを来したノロウイルス感染症の1例
池田 樹央1), 河邉 慎司2), 伊藤 健太1)
1)あいち小児保健医療総合センター総合診療科 2)同 感染免疫科
特に既往のない11歳男児のノロウイルス感染症による急性脳症,敗血症性ショックを経験した.第1病日より発熱,意識障害があり,前医を受診し入院した.その後,嘔吐・下痢が出現,意識障害が増悪し,低血圧(血圧測定不可能)となり,第2病日に当院小児集中治療室へ転院し,気管挿管・全身管理・抗菌薬投与・血管作動薬投与を行った.迅速抗原検査ではノロウイルスは陰性であり,血液・髄液は培養陰性であった.脳波で前頭部に広汎な1~2Hzの高振幅徐波を認めた.第4病日に抜管し,血管作動薬を中止した.第12病日に意識,全身状態は回復し,後遺症を残さず退院した.退院後,保健所に提出した便検体のポリメラーゼ連鎖反応でノロウイルスGⅡ-2が同定された.
ノロウイルスは急性胃腸炎の主な原因ウイルスの1つであるが,ロタウイルスと異なり,脳症の報告はわずか6例である.また,敗血症性ショックの報告も稀である.しかし,本症例のように消化器症状を伴う急性脳症,敗血症性ショックを来した場合,鑑別疾患にノロウイルス感染症を想起する必要があると考えられた.
| Key words | ノロウイルス, 急性脳症, 敗血症性ショック |
|---|---|
| 連絡先 | 池田樹央 〒474-8710 大府市森岡町7-426 あいち小児保健医療総合センター総合診療科 |
| 受付日 | 2018年10月18日 |
| 受理日 | 2019年2月26日 |
小児感染免疫 31 (2):157─162,2019
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