─原著─
2012~2017年の小児百日咳79例の臨床的検討
森 俊彦1), 星野 恵美子1), 平川 賢史1), 黒岩 由紀1)
1)NTT東日本札幌病院小児科
2012年1月から2017年12月までの期間に79例の百日咳を経験した.百日咳の検査診断は,17例は培養陽性,1例はLAMP法陽性,61例は血清診断(16例はペア血清で抗PT-IgG抗体が2倍以上に上昇,3例は百日咳菌-IgM/IgA抗体陽性,1例はワクチン未接種者で抗PT-IgG抗体陽転,41例は抗PT-IgG抗体≧100EU/mL)によった.ワクチン未接種者は16例(20%)であった.1歳未満は全例(15例)が6か月未満であり,2例は4種混合ワクチン1回接種であったが,残りの13例はワクチン未接種で,そのうち11例は3か月未満で,現行のワクチン接種開始年齢に達していなかった.4歳以降は60例中49例がワクチン既接種で,ワクチン未接種者は1例のみであった.乳児百日咳の多くは3か月未満であり,現在我が国では,2種混合として,11~12歳児にDT接種が行われているが,早急に百日咳ワクチンを加えたスケジュールに変更すべきで,さらには,4種混合ワクチンの開始年齢を現行の生後3か月以降を2か月に変更することを考慮すべきである.
Key words | 小児, 百日咳, 血清診断, 抗PT-IgG抗体, 百日咳菌-IgM/IgA抗体 |
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連絡先 | 森 俊彦 〒060-0061 札幌市中央区南1条西15丁目 NTT東日本札幌病院 |
受付日 | 2018年5月21日 |
受理日 | 2019年2月14日 |
小児感染免疫 31 (2):103─110,2019
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