─原著─
1歳未満のインフルエンザ児に対するペラミビルの臨床投与成績
伊藤 由依1), 羽田 敦子1), 吉岡 孝和1), 片山 俊郎2), 秦 大資1)
1)公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院小児科 2)森ノ宮医療大学保健医療大学臨床工学科
抗インフルエンザ薬として1歳未満の児で承認されているオセルタミビルとペラミビルの2剤のうち,唯一の静脈注射薬であるペラミビルを1歳未満のインフルエンザ患児に点滴静注し,ペラミビルの有効性と安全性について検討した.対象は2011年9月から2017年9月までにインフルエンザの診断で入院した1歳未満の当科入院患者74名である.67例にペラミビル(10mg/kg/回)を単回,単回で解熱しなかった7例に2回投与した.37.5℃未満が持続して解熱するまでの時間と月齢,合併症,有害事象について後方視的に検討した.投与から解熱までの平均時間はA型71例で18.7時間,B型3例で28.0時間であった.6シーズン各群の平均有熱期間は,12.7~23.9時間であり,群間有意差はなかった.A型インフルエンザ罹患の1か月児1名,全体の1.35%に二峰性発熱を認めた.合併症は肺炎3例,喘息4例,クループ1例,熱性痙攣1例,痙攣重積1例,中耳炎1例,蜂窩織炎1例,尿路感染症1例であった.有害事象として下痢(2.7%)と一過性の好中球減少(24%)を認めた.1歳未満の児に対してペラミビルは安全に使用できた.
Key words | ペラミビル, インフルエンザ, ノイラミニダーゼ阻害薬 |
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連絡先 | 羽田敦子 〒530-8480 大阪市北区扇町2-4-20 田附興風会医学研究所北野病院小児科 |
受付日 | 2018年3月13日 |
受理日 | 2019年2月14日 |
小児感染免疫 31 (2):95─102,2019
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