機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─症例報告─

来院時心肺停止状態であった乳児百日咳の1例

山村 佳子1), 三原 由佳1,2), 中谷 圭吾1), 岡田 賢司3)

1)宮崎県立宮崎病院小児科 2)刈谷豊田総合病院小児科 3)福岡看護大学基礎・基礎看護部門, 基礎・専門基礎分野


急激な経過でALTE(乳幼児突発性危急事態)や心肺停止に至った百日咳の報告は存在するが,その数は少ない.家族内感染により,発症5日目に心肺停止に至った重症乳児百日咳例を経験した.症例は1か月の女児.日齢33(第1病日)より時折鼻汁・咳嗽を認めていた.第5病日に哺乳不良・無呼吸を疑う症状があり前医を受診した.低体温・呻吟を指摘され,危急的状況と判断され当院へ紹介されたが,到着時心肺停止状態であった.蘇生に反応し,その後全身管理を行い状態は安定した.白血球数29,130/μL(リンパ球69.8%),鼻咽頭拭い液から百日咳菌DNAが検出,百日咳菌が分離され,百日咳と診断した.第27病日に後遺症なく退院した.家族内調査の結果,児発症前から咳嗽を認めていた祖母から百日咳菌が分離されたことから,祖母が発端者と推測した.乳児百日咳は重症化しやすく症状が非典型的であるため,乳児の心肺停止例に直面した場合,症状の有無によらず百日咳も考慮し検査を行うべきである.また,乳児百日咳の感染源は両親,同胞が多いと報告されているが,高齢者も感染源となることが示された.

Key words 百日咳, 乳児, 家族内感染, apparent life-threatening events(ALTE), 乳幼児突発性危急事態, sudden unexpected death(SUD), 突然死
連絡先 山村佳子 〒880-0017 宮崎市北高松町5-30 宮崎県立宮崎病院小児科
受付日 2018年1月29日
受理日 2018年8月27日

小児感染免疫 30 (3):252─257,2018

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