─症例報告─
サルモネラ腸炎を契機に可逆性脳梁膨大部病変を伴う軽症脳炎・脳症(MERS),横紋筋融解症を発症した男児の1例
加藤 雅弘1), 鹿野 博明1)
1)大垣市民病院小児科
非チフス性サルモネラ腸炎は重症脳症・髄膜炎などの腸管外合併症を伴うことが知られている.非チフス性サルモネラ腸炎を契機に可逆性の脳梁膨大部病変を伴う軽症脳炎・脳症(MERS),横紋筋融解症を発症した症例を経験した.症例は9歳男児.発熱,嘔吐,下痢,意識障害を主訴に受診した.CK 4,549IU/L,ミオグロビン1,908ng/mLから横紋筋融解症と診断した.便培養でSalmonella O40が検出された。急速輸液,抗菌薬治療を行い全身状態は安定したが,意識障害が遷延した.頭部MRI拡散強調画像で脳梁膨大部に高信号域を認め,MERSと診断した.支持療法に加えステロイドパルス療法,γ-グロブリン大量療法を施行した。翌日から徐々に意識レベルが改善し,入院3日目には意識清明となった。現在,神経学的後遺症は認めず,外来経過観察中である。MERSの発症機序とサイトカインの関連が示唆されており,本症例でもIL-6,IL-10,IFN-γが高値であった.横紋筋融解症はサルモネラ脳症で高率に生じる.非チフス性サルモネラ感染症では,脳症,横紋筋融解症を考慮に入れサイトカイン,CKの値に注意していく必要がある.
| Key words | サルモネラ腸炎, MERS, 横紋筋融解症, 急性腎障害, 高サイトカイン血症 |
|---|---|
| 連絡先 | 加藤雅弘 〒503-8502 大垣市南頬町4-86 大垣市民病院小児科 |
| 受付日 | 2018年2月22日 |
| 受理日 | 2018年8月20日 |
小児感染免疫 30 (3):245─251,2018
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