機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第30巻第3号目次 > 抄録

─症例報告─

傍脊柱筋膿瘍に硬膜外膿瘍,椎間関節炎を合併した1例

妹尾 慎太郎1), 小野 将太1), 梶 俊策1)

1)津山中央病院小児科


症例は12歳女児.腰痛を主訴に整形外科を受診した.アセトアミノフェンを処方されたが改善なく第10病日前医を再診し,MRIで腸腰筋血腫を疑われた.第12病日,嘔気を伴う40℃の発熱が出現し,髄膜炎疑いで当院紹介受診となった.入院時右季肋部から右背部広範に激痛を訴え座位,歩行は困難であった.造影CTでL3からL5にかけて脊柱起立筋内に多房性の膿瘍を認めたため傍脊柱筋膿瘍と診断した.入院時血液培養と膿瘍穿刺液からはMethicillin-sensitive Staphylococcus aureusが検出された.入院後,L4から仙骨にかけての硬膜外膿瘍とL3/4椎間関節で滑膜肥厚を伴う椎間関節炎の合併を認めたものの,最終的に4週間の抗菌薬治療を行い後遺症なく改善した.小児の傍脊柱筋膿瘍の報告は少ない.原因不明の発熱や腰痛を呈する症例では本疾患も鑑別にあげ,全身性に合併症をきたす前に診断し,治療を開始することが重要である.

Key words 傍脊柱筋膿瘍, 硬膜外膿瘍, 椎間関節炎
連絡先 妹尾慎太郎 〒680-8501 鳥取市的場1-1 鳥取市立病院小児科
受付日 2018年3月15日
受理日 2018年6月5日

小児感染免疫 30 (3):231─237,2018

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