機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─症例報告─

早期より尿中β2 microgloblinが高値を示したヒトパレコウイルス3型感染症の4例

山田 知絵子1), 東 純史1), 石見 壮史1), 新田 統昭1), 天羽 竜子1), 櫻井 美帆子1), 木島 衣理1), 中田 恵子2), 溝口 好美1), 下辻 常介1), 山本 威久1)

1)箕面市立病院小児科 2)地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所


ヒトパレコウイルス3型(human parechovirus-3:HPeV3)感染症は新生児あるいは早期乳児においてウイルス血症および中枢神経感染症により重症化し,致死的となりうる.そのため,早期診断および有効な治療法の確立が必要と考えられる.
当院において経験したHPeV3感染症の4例は日齢6〜日齢43の新生児,乳児であった.4例のうち3例に免疫グロブリン大量療法(IVIG)を施行し,残り1例にはIVIGに加えてメチルプレドニゾロン静注パルス療法(IVMP)を施行した.全例で良好な経過が得られ,後遺症なく退院した.また,発症早期から尿中β2MG値が高値を示し,続いて血中フェリチン値が上昇する傾向を認めた.入院時の一般的な炎症マーカー(白血球数,CRP値)および逸脱酵素(AST,ALT,LDH,CK値)は,正常範囲内であったことから,尿中β2MG値の上昇がHPeV3感染の早期臨床診断,および重症化予測の指標として有用である可能性が示唆された.

Key words 尿中β2ミクログロブリン(尿中β2MG), ヒトパレコウイルス(HPeV), 高サイトカイン血症, 免疫グロブリン大量療法(IVIG)
連絡先 山田知絵子 〒565-0871 吹田市山田丘2-15 大阪大学医学部附属病院小児科
受付日 2017年11月27日
受理日 2018年5月22日

小児感染免疫 30 (3):223─229,2018

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