─原著─
小児気管切開患者の下気道感染症で検出される緑膿菌を治療対象とするべきか?
陳 又豪1), 荘司 貴代1,2)
1)静岡県立こども病院総合診療科 2)同 小児感染症科
小児気管切開患者(気切児)は気道内に緑膿菌が定着しやすく,下気道感染症を発症した際に初期治療として抗緑膿菌薬の適応に明確な基準はない.下気道感染症を反復しやすいため,抗緑膿菌薬の過剰使用につながりやすく,適応を検討する必要がある.われわれは下気道内に緑膿菌を検出した気切児の下気道感染症の初期治療として抗緑膿菌薬が予後を改善するかを調査した.当院総合診療科で2010年から2015年まで,下気道感染症の診断で一般病棟に入院加療した気切児を調査対象とした.気道分泌物培養で緑膿菌検出の有無,抗緑膿菌薬の有無で臨床経過と予後を後方視的に調査した.インフルエンザウイルス,RSウイルス感染症,免疫不全,心疾患,直接の集中治療室入室,抗菌薬前投与例を除外した.下気道感染症で入院した気切児は29名(入院135回),平均年齢5.2歳.緑膿菌検出者19名(入院62回)で,抗緑膿菌薬使用群と非使用群では有熱期間(2.8日,2.5日),酸素需要期間(8.9日,7.7日),集中治療室転入に有意差を認めなかった.【結論】緑膿菌を保菌した免疫不全のない気切児が中等症の下気道感染症を発症した際に,初期治療として抗緑膿菌薬は必ずしも必要ではない.
| Key words | 緑膿菌, 気管切開, 抗菌薬適正使用 |
|---|---|
| 連絡先 | 陳 又豪 〒420-8660 静岡市葵区漆山860 静岡県立こども病院総合診療科 |
| 受付日 | 2017年12月21日 |
| 受理日 | 2018年5月12日 |
小児感染免疫 30 (3):187─195,2018
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