─日本小児感染症学会アンケート結果報告─
ハイリスク小児におけるインフルエンザ菌b型ワクチン,肺炎球菌ワクチン接種状況に関するアンケート
竹下 健一1), 石和田 稔彦2)
1)千葉県こども病院感染症科 2)千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野
日本において,侵襲性インフルエンザ菌b型(Hib)感染症,侵襲性肺炎球菌感染症に易感染性を示す基礎疾患を有する定期接種対象年齢外のハイリスク小児に対するHibワクチン,肺炎球菌ワクチンが,臨床現場でどの程度接種されているか明確になっていない.そこで,定期接種対象年齢外の無脾症・摘脾・脾機能不全,血液腫瘍疾患,原発性免疫不全症,臓器移植後の小児に対するHibワクチン,13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13),23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV23)接種状況調査を日本小児感染症学会のメーリングリストを用いて行った.91施設から回答があり,48%が上記ハイリスク小児の診療を行っていた.約50%の施設が定期接種年齢対象外のハイリスク小児にHibワクチン,PCV13を推奨していたが,その推定接種率には幅が認められた.PPSV23に関しては,無脾症・摘脾・脾機能不全群では,92%の施設で最低1回の接種が推奨されていたが,他のハイリスク小児に対しては,積極的な接種は行われていなかった.今後,ハイリスク小児に対する具体的な接種勧奨指針の策定と接種環境の整備が必要である.
Key words | ハイリスク小児, インフルエンザ菌b型ワクチン, 13価肺炎球菌結合型ワクチン, 23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン |
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連絡先 | 石和田稔彦 〒260-8673 千葉市中央区亥鼻1-8-1 千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野 |
小児感染免疫 30 (1):57─62,2018
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